以前、ニンニクスープが賄いからメニューになった話を書きましたが、
今回は、おいしいがためにメニューに載るよりも、賄いで食べられてしまう料理を紹介します。
それは『スープ・ド・ポワソン』!!
冬のビストロでは定番の料理で、南仏に行けば高級レストランでも出しています。
うちの店では、大きい鍋一杯につくるのですが、その日の賄いが終わるとあら不思議。半分くらいになっています。
これだけおいしいのだからメニューに出したいのですが、ついつい食べてしまって‥‥すいません。
でも、今年の秋・冬は黒板メニューで時々出そうと思っています。
新鮮な青魚の内臓もつかっているのでクセがあるのですが、意外に青魚苦手の人でもいけると思います。自分がそうなので。
おいしく食べるポイントは、一緒に添えてある『アイヨリ(ニンニクマネーズ)』と、グリュイエールチーズをたっぷりとスープに入れて混ぜること。入れる前に、一口飲んでおくと、違いがはっきり判ります。
2年くらい前から試作をしてきたメニューで、自信のある1品です。ぜひお試し下さい。
もう1つ、うちのメニューに時々載りますが、アンティボワーズ風というスープ仕立ての魚料理があります。
これをスープとして家でもつくれるレシピを紹介しましょう。
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*用意する材料(4〜6人分)
○鯛のあら 1kg弱程度
○野菜(玉葱1ヶ,人参1/4本,セロリ1/6本)
○香辛料(ローリエ1枚,ブラックペッパーホール3~4粒,香草の軸数本)
○トマト1ヶ
○香草(エストラゴン,セルフィーユ,イタリアンパセリ)
○EXバージンオリーヴオイル,塩,白胡椒
*フュメ・ド・ポワソン(魚のだし汁)つくり
(1) 鍋に鯛のあらを入れ、かぶるくらいの水を足し、強火で沸かします。
(2)ミルポアにする野菜(玉葱,人参,セロリ)を繊維に沿って薄くスライスしておきます。
(3) (1)の鍋が沸いたら(2)のミルポアを入れます。
(4)もう1度 沸かして、あくをひいたら、香辛料を入れます。
(5) 軽く沸くくらいの火加減で、あくをひきながら15~20分、火にかけて下さい。
(6) なるべく目の細かいシノワ(こし器)もしくは布を使って液体の部分だけ濾して下さい。中の材料は潰さないように。
*スープつくり
(1) トマトの種を抜き、果肉の部分だけを角切りにします。香草の葉の部分をハサミで細かく切っておきます。
(2) フュメ・ド・ポアソンを必要な分だけ鍋にとり、沸かしてEXバージンオリーヴオイルを小サジ1と適量の塩・白胡椒を加えます。
(3) 味を整えたら(1)のトマトと香草を入れ、もう1度、塩味を整えてできあがり。
※ポイントとして、香草は、最低でもエストラゴンだけは使いましょう。
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あと、一般の方につくり方を教える時に、困るのが細かい分量です。
僕たちは、毎日同じような作業でも、その時によって使う野菜の量や、塩の量は変わるので、はっきりとは書けません。
今回の野菜の分量は大体の目安です。
塩だけは、味をみながら入れるので分量は、まったく判りません。
ご自分で、美味しいと思う味加減で入れて下さい。
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